そうか、これが名にし負う

以前、「口の中をやけに噛む」みたいなことを書いた。もともと咬み合わせなどあってなきの如しの私の歯において、その最たるものともいえる下顎の「牙」(犬歯)が、それでもなんとか収まりどころを模索し、おとなしくしていたこの歯が、若干せり上がってきているような気もしていた。思えば、これが前兆現象(前駆症状)だったのかもしれない。


その後暫くは口の中は珍しく比較的平和な状態が続き、違和感も特になく来ていた。それが、ここに来てなんとなく歯痛に近い感覚をおぼえるような状態が稀に発生するようになった。原因は不明。身に覚えもない。新たに虫歯ができている様子も無いし、そもそも虫歯とは痛むポイントが異なる。歯槽膿漏? いや、たぶんそれも違う。
で、今朝、わかった。というか、人生において未経験にもかかわらず、強い直感が降りてきた。


そうか、これが親知らずというものなのだな。


まず間違いないであろう。何故、今更、とか、そういう問いはおそらく愚問である。私の顎の中で喧嘩しているのだ。歯と、歯が。これまで謂わば未体験のことながら、しかし、私には確信がある。それは、この「喧嘩」も、じきにに収まるであろうということと、もし万が一にだ、この「親知らず」を抜く、というか、除去する、などという事態になった場合には、それはもう大変な事態、例えば、下顎の骨を左半分一切削って粉にするぐらいの大外科手術になるだろうということ。前者に関しては、前歯 1本が完全に横向きになって上顎の中に死ぬまで日の目を見ることなく収まっている私だから言えることだ。数年ぐらいかかるかもしれないが、最終的にはなんとか場所を融通しあってくれる(あるいは後発を完全に封じ込めてくれる)ことだろう。で、この「確信」が外れた場合の後者であるが、……
考えたくないので、というか、考えるだけで顎が疼くような気がしてくるので、とりあえず考えないことにしておく。
それにしても、何故、今更。(ってそれは愚問だと自分で言ったばかりでしょうに)