家電業界の諸行無常

私がはじめて携帯(PDCDoCoMo Panasonic P201Hyper)を購入した秋葉原の家電量販店「カクタ」は今はもう無い。(名前だけは微妙に残っている。)
私がはじめて所謂 PC としての機器、MSX2SONY HB-F1)を購入したサトームセンは、今はもう無い。(会社だけは微妙に残っているらしい。)
そしてこの 2月いっぱいで、さくらやが閉店。私がさくらやで買った(買ってもらった)ものは、

  • はじめてのヘッドホン(SONY
  • はじめてのカセットレコーダ(SONY TCM-7)
  • はじめてのマイクロカセットレコーダ(SONY
  • はじめてのカメラ(RICOH AF-5)
  • はじめての電子楽器(YAMAHA PS-3)
  • はじめてのポケコンSHARP PC-1248)
  • いちばん長く使ったポケコンSHARP PC-E500)

…など。


一時期から接客が目に見えて悪くなり、紀伊国屋書店同様、だんだん足が遠のいた。そして、全く行かなくなった。ポイントカードの登録料 ¥500 がそれに追い討ちをかけた。


顧客ニーズを読み違えたり、経営を誤って間違った方向に手を出した家電量販店は次々と潰れていっている。ヨドバシだって君臨しているわけではない。いつもやばいやばい道を通っている。なかのひと常に悲鳴を上げている。ビックカメラは「潰れていない」だけの存在でしかない。存続はするかもしれないが、取り出した冷凍肉状態。鮮度も旨味も急速に失われていくだろう。未確認情報だが噂では現状ヤマダのひとり勝ちらしい。そのうち、出る杭は打たれるだろうし、今までの例で言うと、打たれるより早く、経営陣が血迷う。美術館とかはじめたら、完璧危ない。
正味な話、さくらやも時間の問題であったろう。ここ数年の私の知る限りのさくらやは、何より、店舗内に魅力が無かった。必要なものを手近で間に合わせる、済んだら領収書を切ってさっさと戻る、そういうお店だった。

いろいろ思い出を語り出すと、尽きない。でも、懐かしくはあっても、そういう店があったことを忘れはしないものの、未練とかそういう感情は無い。



ところで、Twitter 界隈では速報が流れた昨日の日中にさくらやの話題でひと盛り上がりしたようだが、どうやら大半は「キョトン状態」だったらしい。さくらや、なにそれ、食料品店*1ですか、居酒屋*2ですか、と。
それもそのはず。さくらやは、首都圏にしかない。地方では全く無名の存在なのだ。

まさに諸行無常。一時は「業界売り上げナンバーワン」が看板だったのに。


私は、桜色していない頃のさくらやが好きでした。BGM と TVCM はいつの時代のもイケてなかったけど。

*1:スーパーで「さくらや」はある。その他にも「さくらや」を屋号に持つ店舗は規模の大小や業態業種を問わず多数存在するらしい。

*2:それは「さくら水産」のことかな?