もえたらしい

火事の名所として名高い秋葉原から程近い神田淡路町の老舗。

かんだやぶそば火災:江戸っ子の味が… 漏電が原因か

毎日新聞 2013年02月20日 11時27分(最終更新 02月20日 16時54分)



 東京都千代田区神田淡路町の老舗そば店「かんだやぶそば」の火災で、警視庁神田署と東京消防庁は一夜明けた20日、実況見分を始めた。同署などによると、店内は出火直前に停電したといい、漏電など電気系統のトラブルが出火原因になった可能性もあるとみて配線設備などを詳しく調べている。

 焼失したのは木造2階建て店舗兼住宅640平方メートルのうち1、2階計220平方メートル。1階従業員食堂の天井にある排気用ダクトから煙や炎が出ており、食堂付近が出火元の可能性が高いという。

 現場を訪れたそば好きの男性(69)は「つゆが濃いめで、本当の『江戸っ子』の味なのに」と残念がった。のれん分けを受けた都内のそば店関係者は「長年、かめにつぎ足しながら使ってきた『かえし(つゆのもと)』が、だめになってはいないか」と心配した。

 周辺は東京大空襲を免れた古い建物が多く、やぶそばなど5軒が都の歴史的建造物に指定されている。創業1930年の甘味処(どころ)「竹むら」を営む堀田喜久雄さん(73)は「古い建物なので、維持がとても難しい。とにかく火を出さないことに気を使う」と話す。作家の池波正太郎さんはかつて、やぶそばの後に竹むらを訪れ、あわぜんざいを食べたという。

 映画監督の小谷承靖(つぐのぶ)さんは、映画「帰ってきた若大将」(1981年)の撮影時、加山雄三さんが演じる主人公の実家のロケに「かんだやぶそば」を選んだ。小谷さんは「高度成長で昔ながらの東京の良さが失われていく中、本当に大事なかけがえのない場所だった。もったいない」と惜しんだ。【和田浩幸、池田知広、福島祥】

再建できるといいね。