どうすりゃいいってのさ。

靴紐の締めは「甲締めが肝心」といわれる。ただしこれは一般論であって、甲高の足でなおかつ静脈のやたら浮いている足なんかだったりすると、締め加減をちょっと誤っただけでたちどころに鬱血する。
かといって、甲を緩めにして、足首の辺りで締めこんでしまうと、もっと酷いことになる。ここのセオリーは、割と万人に共通だ。
では、締めないタイプの靴だったらいいかというと、そうもいかない。甲周りで支えてやらないと、ちょっとでも連続して歩いた際に足指やかかとが酷いことになる。
つまりこうだ。まともな靴は、履けません、と。
別に酔狂で言っているわけではない。小さい頃から靴では苦労させられてきた。履くだけで痛いサッカーシューズのその痛みを我慢しながら、まともにサッカーなんかできるわけがない。爪先にちり紙を詰めた気持ちの悪い革靴を履いて、外出が楽しいはずあろうか。
今の子供たちは、その点、幸せだ。勿論私も、靴の進歩を遅ればせながら享受しているひとりである。