シオタくん(仮名)、あんたはやっぱすげえ奴だったんだな。

高校 1年のとき、同じクラスにちょっと変わった奴がいた。…というかそのクラスはちょっとどころじゃない、変わった奴の宝庫であり、御多分に漏れず私もその中のひとりだったようであるのだが、そのシオタくん(仮名)の変わりっぷりはその群を一歩抜いていた。しかもただ変なのではなく、カリスマ性と天才性、そして大物性を溢れんばかりに有する、いわばクラスの要であった。(因みに頭のほうは抜群によかった。)
彼も私に対してある部分で同じにおいを嗅ぎ取っていたようで(といっても私にはカリスマ性も天才性も無い小物であったので、他の部分での話であるのだが)、いろいろ面白い一面を垣間見せてくれた。
あるとき、彼が私に言うことには、「俺、パンの口留めるプラスチックのやつ、コレクションしてるんだよね」おお、来た来た。
 因みにこれ。
「集めてどうすんの? …ああ、意外といろいろ使えるんだよね。コンセントのところにつけて冷蔵庫、とかレンジ、とか書いておけば…*1
「や、そじゃなくてね」
「なんか作るの?」
「集めて調査してるんだよ。俺さ、このタグ*2、独占企業じゃないかと睨んでるんだ。」
「…!」
「だからコンプリートしようと思って」
「…!! うわー、いやー、どうだろう…」
といった次第で、コンプリートという壮大な野望もさることながら、独占企業であるという発想に対しても、私は否定的な見解を示しておいた。
しかし、世紀を越えた今、私に「真実」が舞い降りた。

アメリカで開発されたこの結束具、日本国内では日暮里・舎人ライナー沿線*3にあるこの会社が唯一製造している、とのこと*4。なんと、シオタくん(仮名)の仮説どおり、独占企業だった。因みに「パンの袋の口を留めるタグのようなプラスチック製のあれ」は「バッグ・クロージャー」という名称だそうな。
確か某帝大に進学したシオタくん(仮名)、今頃は官僚か何かになっているのだろうか。いまさらながら、私の中での彼の評価がまた(微妙に)上昇した。

*1:ほかには、何枚か貼り合わせたものを 2つ用意してカードスタンド、とか、縦半分に割ってオレンジピーラー、とか(番組より)。

*2:厳密には、タグではありません

*3:あとで調べてみたところ、駅から 4.4km も離れていた(→ mapion キョリ測)。県も跨いでいるし、ちょっと沿線とは言いづらいものがある気がするのは私だけではあるまい。

*4:via 「ぶらり途中下車の旅」(2008/04/19 放送
因みにこの回はケロミンの紹介もしていた。