そういえば最初に所有したカメラはリコーだった。

人生初シャッターは PENTAX MEsuper だが、「自分のもの」として所持したのは RICOH
AFコンパクトカメラとしては非常にヒットしたらしい「マイポート」(FF-3)…ではなく*1、電子回路は同等で設計に余裕を持たせコストダウン&海外生産を可能にしたモデル、AF-5 。競合モデルとしてはフジカ(FUJICA) AUTO-7 あたりが挙がる。FF-3が最新メカをギュギュット凝縮し、コンパクトさ、スマートさを前面に押し出したデザインなのに対し、AF-5 は少々ぼてっとした感じの、逆にカメラ好きを意識したかのような、カメラカメラしたデザインだった。

…やっぱり記憶というのはあてにならないものだな。そうか、こんなだったか。
印象では、もっと丸っこくて、オレンジ色っぽかった気がしていた。実際はシャッターボタンが赤く、また、付属のソフトケースがオレンジ色だった。46mmφのフィルタが使用可能で、レンズキャップはガボッとはめ込む軟質プラ。キャップの深さにゆとりを持たせてあり、スカイライトなど常用フィルタをつけたままでもキャップができる親切設計だった。鏡塔の縁にマイクロスイッチがあり、キャップをするとカメラが OFF になるのも当時としては非常によくできていたように思う。
シャッターは非常に軽く、逆に軽すぎて半押しが難しいほどだった。*2
巻き上げ・巻戻しのモーター駆動音が結構うるさく、しかも結構耳障りなタイプの音だったので、静かなところでの撮影は憚られた。とはいえ、フジカやハニメックスなどと比較すると静かなほうだったようだ。この頃あたりから、DC モーターの小型化及び高性能化がコンパクトカメラのフルオート化にかなり貢献している。ウォークマンの進化なんかと時を同じくしているだろうか。
途中、110 カメラに浮気したりしつつ、なんだかんだ言って結構使い込んだ。ある時期からはクローズアップレンズを使って接写もどきをやって遊んでいた。どうやるかというと、無限遠でシャッター半押しにしてフォーカスロック、定規を使用して被写体との距離を決めて(例えば +3 なら 33cm)レリーズ。
このカメラの最期は知らない。クラスメートに貸していたら、ごめんなくした、といわれた。その頃既に故障しかかっていた*3のでそのままうやむやにした。

*1:FF-3 は兄が所有していた

*2:ライバル機(なのか?)である FUJICA AUTO-7 はシャッターボタンのストロークが驚くほど長かった。

*3:最も顕著なトラブルが、プラスチックボディのカメラにありがちな、電池蓋の破損。セロテープで留めていたような気がする。