氷殺復活
霜天に坐せ、氷輪丸!(©日番谷冬獅郎) ※ 記事とは特に関係ありません
ライオンがバルサンブランドで出した「氷殺ジェット」*1は火災事故が相次ぎ、発売開始後半年未満の昨年夏に販売中止、店頭在庫全回収となった。強燃性(引火性)ガスを使用していればそれは謂わば当然のことであり、配慮が足りなかったのは誰なのか、という話である。
で、今日、ドラッグストアにて非常によく似た商品名の物を見かけた。ただし、今回はフマキラー。
- 瞬間凍殺ジェット 飛ぶ虫用:JAN:4902424426267
- 瞬間凍殺ジェット 這う虫用:JAN:4902424426250
冷却材は、HFC-152a 。容量は両者とも 450mL 。何のことは無い、これは、生ガスの出てしまうよう設計されたエアダスター。「飛ぶ虫用」と「這う虫用」の違いはレギュレータの設定だけのようで、「飛ぶ」のほうが噴射圧が高い。そのぶん噴射可能時間は短いのだろう。表記によると「降下温度-85℃(気温25℃の場合)の瞬間冷却」だそうで、ライオンの(-40度)よりも強力ということになるのだろうか。
HFC152a はお馴染み、代替フロンである。不燃性ではないが激しく燃焼はしない。オゾン層破壊ガスである。(とはいえ、飽和炭化水素だってきっちりオゾンを破壊するから同じことである。)
地球温暖化よりも目の前の虫のほうが深刻な問題、というか、いつの時代にも兵器、武器というのは得てしてそういうものだ。一言でいえば、必要悪。「氷殺ジェット」もその必要悪をこねて固めて具現化したかのような、実に「兵器」然とした立派な weapon であるといえるかもしれない。
凍傷にならないよう気をつけながら、冷却スプレーとして使用してみようかと思う。
全然関係ないけど
フマキラーとクマヒラって似てるよね。扱っている商品は全然違うけど。…いや、「悪い虫を寄せ付けない」というコンセプトは同じか。大きな違いはその排除のポリシー。片方は主に守り、もう片方は主に攻め。
ほんとどうでもいいにも程があるってものだ。
*1:飛ぶ虫用:300mL:JAN:4903301060468
這う虫用:300mL:JAN:4903301060482
参考:http://www.rakuten.co.jp/katuhara/547889/605747/605757/1821174/