是非とも Photoshop のプラグインで出して欲しい

これはよい(かも)。処理が遅いのと、(それ故か)タイリングしてのプレビュー比較ができないのが難点だが、正直そこまで考える必要のないような画像を見やすく処理するためにはうってつけである。
例えばこういう画像。(縮小したのでシャープネスはかけている)

天気のよい日、特に冬場など、街中ですばやくちゃちゃっと撮影をするとこういう画像になりがちである。露出補正をしたところで、大した解決にはならない。というか、スナップ撮影に露出補正はそぐわない。速写性を著しく損なうからである。スナップ撮影時のとりあえずの対策としては、測光モードを「スポット測光」にしておき、より情報を残したいほうにカメラを振ってフォーカスロックし、シャッター半押しのまま構図を決めて撮影、というかたちになる。こうすることで「簡易露出補正」となるが、これは単に「明るい部分を飛ばすか、暗い部分を潰すか」の選択をしているに他ならない。
で、その「とりあえず」をデスクトップ上でリカバーしようとするわけだが、せいぜいが「レベル補正」程度。

大概はこうして「使用」する。空の青が異常な色になったりすることを気にしていては、この写真は「使えない」。これでも既に、建物の上のほうに書いてある文字は読めない。
自棄を起こして、日陰部分の被写体にあわせると、日向部分の文字が完全に飛ぶ。

色の不自然さはますます酷くなるし、建物のタイルの色や質感も全く損なわれる。これは、いけません。


で、「なんちゃって HDR」をかけると、こうなる。
(処理強度 8)
この画像では縮小率が高いので文字まではよく読み取れないかもしれないが、もう少し大きい画像ならば画像中の文字情報が読みやすい形で保存されていることがわかるはずだ*1
因みにコントラストと明るさの調整で解決しようとするとこうなる。これでもいいっちゃいいのかもしれないが、これと、上の画像のあいだには「使いたい」と「使いたくない」の境界線がある。



こういう画像も

レベル補正では遠景ハイライトの校舎のディテイルが飛ぶうえ、肝心の部分もべとっとした色合いになってしまうが

nHDR ならば、曇の日のような雰囲気になり、形状の情報は残る。
(処理強度 10)

色味に関しては、処理強度を上げると彩度がぐんと落ちるため、なんとも言い難いものになるのは確かだが、これなら「情報として使える」写真になっているといえよう。文字も消えないし、ものの色かたちも大体想像できる範囲に留まる。それこそ、会社のレポートに掲載するにあたうような画像にはなっているであろう。
なんといっても、後処理のみでここまでいけるのが嬉しい。
元画像を処理にかけると時間が異常にかかる(5M サイズ*2を処理にかけてみたら 69秒かかった)ので、リサイズ後の画像を処理するのがよさそうだ。
今のところ操作性その他もいまいちだが、正直そこまで真剣に微調整が必要でもないような画像の処理に用いるというのがこのソフトのコンセプトのようだから、気にせずガンガン撮って、こだわらずガンガン処理するような使い方であっているのだろう。
プラグインで出てくれれば、もっといいのに。


というか、フォトショなら標準搭載機能でできそうな気もするんだけど。私がそのやり方を知らないだけ、という気がしなくもないんだけど。

*1:だったらそういう画像を示せよって話なのだけど、面倒なんで、すみません。

*2:2592 * 1944