余談はともかく、できたものを披露しておく。

なんとかできたそれは、こんな。

USB コネクタは基板直付けタイプを使用するつもりだったが、面積とか運用時のレイアウトとか諸々厳しいということがわかったので、延長ケーブル(巻き取り式)の両端を使用。線が細いのでスマートなレイアウトにできた。USB は標準品を使用するととにかくコネクタもケーブルもものすごく邪魔。

あれ、リレー使ってたんじゃないの? というわけで、裏面。(汚いので見せたくないが)

超小型リレーをパターン面に。3V で安いやつが面実装タイプしかなかったもんで。というか 3V の 2C リレーが秋月ではこれしかなかった。
で、やはり慣れないことはするものではない。部品が裏表両面にあることで、いろいろと間違いを犯したりしてミスが増えた。そんな失敗の数々は、以下。

  • トランジスタを逆差しして半田付けしてしまい、ほぼ出来上がってから気付き、ちょん切って新たなのを取り付け直す。裏面図も用意したのだが、途中でわけがわかんなくなっていたようだ。
  • セオリーどおり部品、パターン面配線、ジャンパ線、の順序で組んでいったら、2つのリレーの隙間の端子からジャンパ線を飛ばさなくてはいけないことにあとで気付いた。基板の表面も使ってなんとか迂回しつつ、半田付けはぎりぎりコテ先が入り、なんとか成功。
  • タクトスイッチ(プッシュボタン)の足の導通関係を間違えて記憶しており、通電してみたら「常に ON」状態。半田付けの熱でリレーかトランジスタか、或いはスイッチ自身が破壊したか? リレーの内部結線を間違えていたか? ダイオードが(も?)逆? とか、いろいろ考えるがわからず。結局、2つのスイッチが 2つとも「常時 ON」なのはおかしい、ということで、スイッチを無理矢理取り外して動作。やっぱりスイッチがいけないということはわかったが、そんないきなり壊れるものではないはずなので、まさかと思いつつ別の同品をテスターでチェックしてみて、 3分ぐらい凹む。あとでちゃんと除去し、新たなスイッチを付け直す。
  • 回路図に部品追加(機能追加)する際、間違いを犯していた。何故か実体図のほうは合っていたのだが(何故だ?)、部品実装直前に「なんだこれ回路図と違う」と、実体図のほうを直してしまった。テスト結果、自己保持が利かず。回路図と実際に組んだ基板を見較べ見較べしながら考えることしばし、リレーの出力側(自己保持ループのところ)に電源(Vcc)が来ていないことに気付く。電気が無けりゃ暮らせませんよ。そういえば回路図を見て「なんか変だ」とはちょっと思っていたのだが、確実に「これはおかしいじゃん!」と見て瞬時に気付けるだけの経験値が無い。
  • 今回新たに調達したニッパーが驚くほど使えなかった。ざけんなし。(というか、税別¥1,000.- 以下のニッパーを修正無しで使おうというのに無理がありますかそうですかそうですね。)結局ほとんどキッチン万能ばさみ(常用品)でカットした。流石はカニの甲羅とかも切っちゃうはさみ、ダイオードの足ぐらいはたやすく切れる。
  • ダイオードは先日の回路図では「10E1」*1となっているが、RoHS 非対応ということで現在これは廃番品。現行品は「10DDA10」だそうだ。今回実際に使用したのは「S5277G」*2東芝)。実はこれも廃番。先日千石で調達してきたダイオードの型番がわからなくなってしまい、関係ないとは思いつつ念の為カマデンで調達。で、千石のやつは後日確認したら 10E1 そのものだった。(廃番だが今でも在庫品を売っているところは多い。)無駄なことをした。


そんなこんなで出来上がった装置、というかユニット、重量は 26g ぐらい。そのへんのことを忘れて、あーでもないこーでもないと気が付けば余計なものをてんこ盛りに実装していた。タイマーユニットが 24g ぐらい(実計量値)なので、あわせて 50g 、まあ、このままの基板でも、ネジをポリカにしたり、そもそも裏のアクリル板をやめてテープ貼って保護にしたりすれば 3g 程度はダイエットできるだろうか、そうなるとシステム一式全体で 150g をギリギリ切ることは可能かもしれない…しかし、強度その他を犠牲にして無理矢理 150g以下に収めたところで、そのひとつ上の 250g までの郵送料金との差は 40円。その上になると料金はコンと跳ね上がるが、40円をけちって故障や破損の危険に曝すよりは、250g 以内でゆとりのある梱包をしたほうがよさそう。
あるいは、今回のをプロトタイプと位置付け、汎用性を落として(抵抗は全部 1/8W 固定抵抗にするとか、そのほか。手動スイッチも基本要らない)シンプルな構成の運用タイプを作ればそのへんはあっさり解決しそうである。基板も半分で済むかもしれない。
なにしろ材料は、まだある。


以下、自分だけの為の覚書(というか、そもそもここに投下しているアート自体ほぼ全編「自分だけの為」にしか書いていないのだけど)。書いておかないと絶対忘れるような気がする。

PB1 手動起動用押しボタン
PB2 手動停止用押しボタン
CN1 タイマーその他からの起動信号入力コネクタ
CN2 タイマーその他からの停止信号入力コネクタ
PSK1 CN1と並列のピンソケット
PSK2 CN2と並列のピンソケット
PSK3 ピンソケットによる起動出力(USB-OUT と等価)
PSK4 起動状態で点灯の LED 用ピンソケット
VR1 起動信号の感度調整/保護抵抗
VR2 起動後の電流調整(節電の為)
VR3 停止信号の感度調整/保護抵抗
VR4 LED(PSK4)の制限抵抗(明るさ調整)

CN1, CN2 への入力信号は 1V 程度以上(シリコントランジスタの閾値である 0.6V 以上ならいけると思うが、あんまりギリだとたぶん厳しい。)の直流を入れてあげてください。電流は 数mA あればたぶん大丈夫。ただし実際に 何V 何mA を 何msec 流せば反応するのかは実験してないので不明。常識的な範囲で「電気が流れれば」大丈夫、のはず。


動作時の電流は、カタログ値よりもちょっとでかいようだ。自己保持状態の維持も 15mA 程度は流しておかないと不安定。回路にまだなにか問題があるのかもしれないし、小さくて低圧起動のリレーだからある程度はしょうがないのかもしれない。それでもまあ 20mA ぐらいで維持してくれれば、たぶんさほどの問題はないと思う。


なんか久々に楽しかった(というか、自力で回路を組むのは*3初めてで、苦労はそこそこしたけどおもしろかった)ので、これはもう完成ってことで終了でもいいような気がしてきたが、いやいや待てと。作って終わりでは当初の目的はなんだったのかって話である。使ってやりましょう。いきなり本番はアレなので、とりあえずテスト後、運用の予定。
因みにタイマーのほうはきっちり改造済。

このへんの作業はなんかもう手馴れてきた感がある。(細かいことにこだわらなくなってきたとも言う。)もう少しちゃんとした環境があれば有償で改造請け負ったりできるんだけどなー。

*1:100V 1A

*2:400V 1A

*3:回路と言えるかどうかはともかくの話である。