遅ればせながら、庄司創さんの第3作を読んだ

途中下車して駅ナカの書店で買ってきた。
この「月刊アフタヌーン No.9」の発売日が 2010/07/24 で、もうほぼ 1ヶ月前。とりわけここのところマンガもアニメも抑え気味にしていて某「みんなはパンツじゃないっているけどどうみてもパンツですから恥ずかしくて死んでしまいたいのはこっちのほうです」アニメ(長いな)の 6話が名作で泣けるとか言われてもまだ観ていないし(というか録画できてるか確認すらしていないし)、「美少女ゾンビラブコメディ」というあったようななかったようなジャンルの「さんかれあ」は行っとくべきか否か、みたいなとこで軽く迷ってたり、テガミバチとか「上地雄輔の名において命ずる、出でよ、蜜蜂(ミーツォン)!!!!」(ってそれはマンガですらない)とかはもういいってことにするとしても、謎カノX も 6巻読んでないし、…げ、うーわー「CAPTAINアリス」もう 2巻まで出てるとか一体どういう


ともかく、売り切れてなくてよかった。


さて。『パンサラッサ連れ行く』です。相変わらずググリに強そうなタイトルで攻めてきます。
今回も生きる、がテーマの重要な骨格をなす作品。…でも、ごめんなさい、私個人のことで言えば、地学・生物クラスタに所属はしているけれども生物オタではないので古生物とか全然興味ないのよね。とりわけ「男の子なら恐竜好きでしょ」みたいな感じで持って毎年夏になると必ずどこかで行われる恐竜展とか心の底からどうでもいいってかむしろ興が冷めるし*1、化石生物の再現しました、なんと生きてるように動く 3D 映像すごいでしょ?生きてるようにリアルに動く模型すごいでしょ? 的なコンテンツとか、全く萌えない。「見てきたような嘘を言い」は geologist の専売特許なんだけれどもそれをほんとに見えるようにしたらそれは学問じゃなくてホントの「嘘」なんですよね。その点で、私は既に在野なんだけど気持ちの何処かには中の人的な要素を未練がましく 0.1% ぐらい残しているので、ヤッターマンの今週のビックリドッキリメカを見る小学生のような感覚にはなれず、琴線には触れませんでした。
でもね。
さすがによく練り込んであるっていうあたりで、カンブリアの生物のことを知らなくても設定の詰めが入念にされているのがわかるプロットは、読んでいて苦痛がない。だから、普通は面倒臭い宗教的生命観みたいなものも割と自然に入ってくる。設定がタイトだから、イレコミが入りにくくて、無用な生活感とか、個人的コンテクストの全力介入とか、要するに雑念とか、が消えるんですよね。
ただ、その分、こういう破天荒な mix-up の避け難い宿命として、突っ込みどころは必ず、色濃く残る。今後はそういうのを如何にして噛み砕いてゆくか、みたいなところも(メジャー化?への道のりとしては)あるかもしれない、なんてことを考えつつ、そういうこというとますます遅筆に磨きがかかってしまうだろうか…なんていう危惧も持ったりしつつ。いまのところニッチを攻める作戦は奏功してると思うけども、それにしても棘の道だなぁ、とは思わずにいられない。適度な距離感の優秀な(←ここすごく重要!)ブレーンとかいたりすればいいのか、それとも今掲げられてる方針どおりアシスタントの充実で着実な分業制を確立することで負荷を減らせるのか…


(例によって)外野は黙ってたほうがよさげな気がしてきました。


そんなこんなで(だからどんなだっての)、甚だ遅ればせながら、「3作目」リリース、おめでとうございます。>庄司創さん




おわ、芦奈野ひとしのマンガも載ってるんだ…彼の描くオンナノコのカラダのラインが大好き…ドキドキ…(←いかにアフタヌーンとかイブニングとか界隈の予備知識が無いかを物語っている)

*1:逆に言えば、涙も枯れる程度には見てきているということではある。