食欲についてワシも考えた。

喰わなければ増えない、これは道理であるが、「喰わない」ではダイエットが成立しない不思議。
これは概ね、動物の採餌行動に「食欲」というサブシステムが噛んでいるからである。この辺を軸に紐解くと、いろいろ見えてくる。 …例えば。

  1. 朝食を採らないと却って太る、といわれている。朝食を食べれば、ちょうどそのぶん昼食がが軽くて済むので、無駄に血糖値を上げないとか胃袋を大きくしないとか、ダイエットにプラスに貢献する。
  2. ダイエット中にはスーパーや食材店の並ぶ商店街など、美味しいもののある店での買い物は無駄に食欲を刺激することになるから、禁忌である。勿論、情報もできうる限り遮断したほうがいい。
  3. TVの料理番組などで飲食の様子を見ることは、自分が食べた気になれるので食事の代償となる。
  4. 他人が食べている様子を直接観察することも、自分が食べた気になれるので満腹感が得られやすい。バイキング形式など、できるだけ大勢のいる食堂で自由に食事を採るほうがダイエットに繋がりやすい。
  5. ガムを噛むと唾液が胃に入り、余計に空腹感が増すだけ。
  6. ドカ喰いがよくないので、起きている時間内、小量を常にだらだらと食べ続けるのが真の理想。これができないので、食事の回数を増やす(1日の所要量を 6回〜10回に分けて少しずつ食べる)ダイエットというものがある。

結論から言うと、以上は全部嘘。

  1. 昼にドカ喰いさえしなければ、「朝食抜きダイエット」は成立する。1日のサイクルの中で、おなかが空っぽの連続時間をできるだけ長くとりたい場合、夕食を早めにして且つ朝食を抜くのがいちばん手っ取り早い。因みに、朝食を採ろうが、採るまいが、多くしようが、少なくしようが、昼食の量にはほっとんど影響しない。朝、おにぎり 1個食べたからといって、昼食がおにぎり 1個分少なくなるか、というと、そういうことはまったく無い。(ただし、朝食の如何が夕食の量には影響するかもしれない。)
  2. 食材を買う行為、料理をする行為は、「かなり大脳化された欲求」のひとつである食欲の代償となりうる。従って、買って、買うだけにして、食べなければそれはダイエットになる。(ただし、大概の人は買ったら食べるのでそこで何らかの力を発揮することが必要となる。)
  3. しかし、人間も社会性を有する獣の一種である。近くにいる仲間の行動を無意識のうちに真似たくなる。従って、人間が何かを食べているという視覚情報を脳に入れると、たとえそれが TV の映像であっても、「自分も何か食べなければならない」という衝動が喚起されることになってしまうのである。
  4. それは当然、食事を時間通りに採る、つまり、習慣行動として捉えるようなことを是とする、大人数を収容するタイプの食堂においては、まさに確固たるものとなってゆく。周りの人が揃ってがつがつ喰っていれば、無意識のうちに自分も喰わなければならないという(無意識の)結論に、容易に至る。
    とりわけバイキングのような、制限の特に無い状態で他人と競うように飲食する場面では、過食に陥りやすい。
  5. 一方で、身体の機能の面から考察すると、食べるという行為の一部分を模倣するだけでも脳の空腹感を誤魔化すことができる場合があることは確か。ガムを噛むと、口を動かす、唾液が分泌される、味覚を存分に感じる、ということから、空腹感はかなりの頻度で紛れる。
    因みに「キシリトールガムダイエット」という奇策もある。
  6. 胃が常に働いているのは圧倒的に良くない。だから、ずっとだらだら食べ続けるのは NG 。更に、しょっちゅう食べるのを癖にすると、どうしてもトータルの量では食べ過ぎになりがちである。管理(コントロール)もしづらいのでダイエットには不向き。また、当然のことではあるが、普通の社会生活をしている人にとって、1日 6食以上をセッティングするのは、時間的に非常に勿体無い。そんな時間があるなら食事に費やす時間をまとめて減らして、そのぶん運動をしたほうがよい。


なんか超適当。